2014年9月19日金曜日

長い話その1

離婚に傷心している高校の同級生がおりまして、その彼が3ヶ月ほどの海外旅行から帰国し、我が家へ立ち寄りました。彼の土産話に耳を傾けるのですが、聞いているうちに何故だか彼の話が耳に入ってきません。私は相槌を打ち、質問しますが、彼は自分の話を続けます。その話がやたらめったら長いのです。質問には答えてくれません。そこで席を立ったり、ツッコミを入れたり、僕なりに対話をスムーズにしようと遠回しにメッセージを伝えます。彼の話に合わせて自分の話をしてみても話題はコロコロと変わりながら彼の冒険のお話は同じリズムで続きます。一方的に話を聞かされ続けると疲れませんか。彼の気持ちは分かるような気もするんです。おそらく彼は僕を相手に彼自身の体験の情報処理をしているのではないでしょうか。私だってできれば紳士的に聞いていたい。そしてできればおしゃべりを楽しみたい。でも元DV夫の私にも無理でした。そこで散歩に行きませんかと誘い出しました。よし行きましょうということになりまして、私は準備をし始めましたが、彼は玄関でまだかまだかというオーラを醸し出してイライラしています。昔の私自身を見ているようでした。困ったように見せる妻さんも嫌でした。なにもかも嫌だったでしょうね、私は。そんな私と同居していればそれは疲労するはずです。立派なDVです。

DV当事者になり理解しましたが、DVのハードルは想像していたよりも低いものでした。あらゆる街のあらゆる家庭、職場、学校という集団の毎日に潜むどころか溢れています。そういう意味でもDV当事者になる可能性を誰もが秘めています。DV被害者が受難したとひと声上げれば、何一つ検証されないままDV加害者として新生活を始めることができます。それまで問題にならずにやり過ごせていた些細な事が、ある日突然大きな問題になってしまうのです。私も当事者になるなんて想像もしてきませんでしたしDVは悪魔のような男(決まって男...という刷り込み)でそれ以上に酷く忌み嫌うものはない程に私自身も軽蔑していましたから。(しかし私には自分自身が気付けずにいた問題もあったのです。その辺りはいずれまとめてみたい。。)一旦DVのレッテルを貼られれば周囲からの評価は激変します。妄想は膨らみ加速し、私を妄想DVモンスター男に仕上げていきます。しかしです、他者からの評価に耳を傾けはしますが気にはしません。自己肯定の大切さを学ぶことになった次第です。


長い話その2
に続きます。



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